おいてけ
マジックショーの続きが遅々として進まない……!
――えーと、有名な怪談を改変してみたSSを思いついたので書いてみました。
元ネタは言うまでもなく「おいてけ堀」。
「はぁ? 魚がクーラーボックスから消えた? アンタね、つくならもっとマシな嘘にしなさいよ!」
「いや、嘘じゃねーって。池の中から『おいてけ』って声がして、帰ってみたら釣った魚が全部消えてたんだよ」
「バカバカしい……どうせ一匹も釣れなかったのが恥ずかしくてそんな作り話をでっち上げたんでしょ?」
「――! だったらお前が直接行って確かめてみろよ!」
商店街の魚屋の前で、こんな会話が繰り広げられていた。
むきになって声を張り上げた少年に対して、少女は呆れたようにため息をついた。
「はっ……そこまで言うなら行ってきてあげてもいいけどね。もし嘘だったら、そうね――裸でこの商店街をお散歩してもらおうかしら?」
「だ……だったらそっちこそ、嘘じゃなかったらここでストリーキングしてもらうからなっ!」
「はいはい。お望みどおり、そんな怪談みたいなことが起こったらストリーキングでも何でもしてやるわよ。どうせ嘘に決まってるし」
余裕の面持ちでやれやれと肩をすくめる少女。
「ま、ちょうどよかったわ。どうせこのあたりの釣りポイントにも飽きてきたし、今から行って確かめさせてもらうわ。アンタも一緒に来る?」
「悪いけど、俺は今日一日親父が留守でここの店番任されてるからな。釣り終わったらここに戻ってきて確認させてくれよ」
「構わないけどね……念のため聞いておくけど、本当に釣れるんでしょうね? 行ってみたけど魚が一匹もいませんでした、じゃ話にならないわよ」
「心配すんな、俺が行ったときは2時間でボックスが一杯になるくらい釣れた」
「どうだか……ま、アンタの露出プレイ、楽しみにしてるわね」
ふふんと鼻を鳴らして、少女は止めてあったマウンテンバイクにまたがると、少年に聞いた場所へと自転車を走らせた。
――えーと、有名な怪談を改変してみたSSを思いついたので書いてみました。
元ネタは言うまでもなく「おいてけ堀」。
「はぁ? 魚がクーラーボックスから消えた? アンタね、つくならもっとマシな嘘にしなさいよ!」
「いや、嘘じゃねーって。池の中から『おいてけ』って声がして、帰ってみたら釣った魚が全部消えてたんだよ」
「バカバカしい……どうせ一匹も釣れなかったのが恥ずかしくてそんな作り話をでっち上げたんでしょ?」
「――! だったらお前が直接行って確かめてみろよ!」
商店街の魚屋の前で、こんな会話が繰り広げられていた。
むきになって声を張り上げた少年に対して、少女は呆れたようにため息をついた。
「はっ……そこまで言うなら行ってきてあげてもいいけどね。もし嘘だったら、そうね――裸でこの商店街をお散歩してもらおうかしら?」
「だ……だったらそっちこそ、嘘じゃなかったらここでストリーキングしてもらうからなっ!」
「はいはい。お望みどおり、そんな怪談みたいなことが起こったらストリーキングでも何でもしてやるわよ。どうせ嘘に決まってるし」
余裕の面持ちでやれやれと肩をすくめる少女。
「ま、ちょうどよかったわ。どうせこのあたりの釣りポイントにも飽きてきたし、今から行って確かめさせてもらうわ。アンタも一緒に来る?」
「悪いけど、俺は今日一日親父が留守でここの店番任されてるからな。釣り終わったらここに戻ってきて確認させてくれよ」
「構わないけどね……念のため聞いておくけど、本当に釣れるんでしょうね? 行ってみたけど魚が一匹もいませんでした、じゃ話にならないわよ」
「心配すんな、俺が行ったときは2時間でボックスが一杯になるくらい釣れた」
「どうだか……ま、アンタの露出プレイ、楽しみにしてるわね」
ふふんと鼻を鳴らして、少女は止めてあったマウンテンバイクにまたがると、少年に聞いた場所へと自転車を走らせた。