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怪盗ジンジャーブレッド(4)

というわけで、怪盗ジンジャーブレッド最終話です。
ようやく最後まで書き終わりました。




「い、いや……ダメぇっ!」

少年の全身に絡みついた蔦から次々とピンク色の花が咲き乱れる。
呼吸を止めようとしても、否応なしに花の甘い香りは少年の鼻腔をくすぐり、また全身のむき出しになった皮膚からも遠慮なく侵入し、刺激的な快感を強制的にもたらしていく。

「あ……あぁ……!」

先ほどと同じ、いやそれ以上に激しい快感の奔流が少年の全身を襲う。
一度精を放ったために大人しくなっていたはずの秘所が、再び主の意思を無視して膨張を始める。
その変化に気づき、少年の身にどんな大変な状況が起こっているのか知る由もない警備隊長が顔を赤らめながら叫ぶ。

「きゃあ!? ちょ、ちょっとジンジャーブレッド! この状況でいったい何考えて――」

「み、見ないで……おねがい、目を、つぶってぇ……!」

もはやプライドなど忘れ去ったように涙を流しながら叫ぶジンジャーブレッド。
だが、この状況で見るなと言われてその通りに従うはずもなく。
隊員たちは、顔を背けるそぶりを見せながらもちらちらと、あるいはそのそぶりすら見せずに堂々と、少年が隠す術を持たないそこを鑑賞していた。
少年は蔦による拘束からどうにかして抜け出そうともがくが、当然のように蔦は今までと変わらずがっしりとジンジャーブレッドの体を捕らえて離さない。

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怪盗ジンジャーブレッド(3)

相当期間が開いてしまってごめんなさい。

ちまちまと書き進めてきたので、怪盗ジンジャーブレッドの第3話を投下します。
前中後編だった気がしたが別にそんなことはなかったぜ!

た、多分次が最終話です……多分。




「はぁ、はぁ……」

「ふふ、どうだったかしら? 植物なんかにイかされる気分は」

人前で絶頂に導かれるという屈辱的な体験に打ちひしがれ、ぐったりと項垂れている少年を見下ろしながらラヴィアンは楽しそうに尋ねた。
改めて自らの受けた陵辱を再認識したジンジャーブレッドは羞恥に頬を真っ赤に染める。

「――っ! う、うるさい……っ!」

「あら、そんなつれない態度を取ってもいいの? 私がその気になれば、キミを一晩中その格好のまま放置して、明日ここにやってきた皆さんに見せてもらうこともできるけど?」

「なっ……!」

少年は驚きに目を見開く。もし夜が明けて美術館を訪れた大勢の観客にこんな場面を見つかってしまったら、間違いなく新聞やテレビの格好のネタになってしまうだろう。こんな惨めな姿を全国に晒されるということは、それは自分の怪盗としての――否、それどころか人間としての終わりを意味する。

「さあ、どうする? 大人しく負けを認めて二度と私の仕事の邪魔をしないと約束するなら、この拘束を解いてあげてもいいわよ?」

一時の敗北を受け入れて自由を得るか、それとも意地を通して生涯消えない屈辱を受けるか。損得で考えれば迷うまでもなく応じるべき提案。しかし、人一倍負けず嫌いの少年にとって、自ら降伏して敵に慈悲を乞うという行為は何よりも耐え難いものだった。
涙が零れ落ちそうになるのを必死で堪えながら、少年は目の前にたたずむ相手を真っ直ぐに睨み付ける。

「だ、誰が……お前なんかに降参するもんか……!」

気丈にも提案を突っぱねるジンジャーブレッド。だがその声は羞恥のためか小刻みに震えていた。

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怪盗ジンジャーブレッド(2)

1ヶ月以上放置して申し訳ない。
ネットゲームに夢中になっていました。
とりあえず暫くは参加予定がないのでもう大丈夫、のはず。

というわけで怪盗ジンジャーブレッドの中編です。(前回は後編って言った気がしたけどそんなことはなかったぜ!)





「このっ、離せよぉっ……!」

四肢を雁字搦めにされて動くことすらできないジンジャーブレッドにできることは、もはや言葉で抵抗することだけであった。
だが、もちろん相手がそんな要求に従うはずもない。

「ダメに決まってるじゃない、これからが本番なんだから」

にべもなく少年の要求を却下すると同時に、少年の足に絡み付いていた蔦が、徐々に彼の幼い秘所に向かって蠢き始めた。
そういった知識の殆どないジンジャーブレッドも、自分がこれから性的な陵辱を受けようとしているのだということにようやく気付く。

「やあああっ! やめろよっ、変態――!」
「ふふ、だったら頑張って抵抗してみたら? できるものなら、だけどね」

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怪盗ジンジャーブレッド

奇術みたいな、ショーっぽい華麗さを追求したジャンルとして、「怪盗」というのも好きです。
正義とも悪ともちょっと違うような我が道を行くところも。

そんなわけで、怪盗スレで投下してみたSSです。
後編は執筆中。




「じゃーねお姉さんたち、予告どおり『ファラオの嘆き』はこの怪盗ジンジャーブレッドが頂いていくよ!」

半ズボンとシルクハットという衣装に身を包んだ少年は展示台の上に降り立つと、挑発するように女性警備隊員たちに向かって笑顔で舌を出した。
その手には数億の価値があると言われるサファイア、『ファラオの嘆き』が握られていた。

「くっ……相手はしょせん子供よ、捕まえなさい!」

上官と思しき女性の号令と共に、少年に向かって数人の警備隊員が飛び掛ろうとするが、それよりも少年が警備隊へと目にも留まらぬスピードで駆け出す方が早かった。

「ふふーん、捕まえられるものならやってみたら?」

楽しそうにはしゃぎながら、まるで弄ぶかのように隊員たちの隙間を縫いながら目にも留まらぬスピードで駆け巡る。

「きゃぁっ!?」「えーい、このっ」「待ちなさーい!」

警備隊員たちは必死で目の前の少年を捕らえようと手を伸ばすが、まるで動きが全て読まれているかのようにすべての攻撃をするりとかわされていく。

「えーい、何を手間取っているの、さっさとあいつに手錠を……!」

見かねた上官が苛立った声で叫ぶと手錠を取り出そうと腰のホルスターに手をやるが、その手は虚しく空を切る。

「え……?」

戸惑って自分の下半身に目をやると、穿いていたはずのスカートが手錠と共にずり下がり、足首の周りまで落ちていた。

「な――きゃぁぁっ!?」

同時に、大勢の黄色い悲鳴が辺りでこだまする。
警備隊員たちのスカートが、全て上官と同様にファスナーを全開に開けられてずり落ちていたのだ。

「ばいばーい、パンツ丸見えのお姉さんたち♪」

慌てふためく警備隊員たちを見てけらけらと笑いながら、怪盗は博物館の廊下を走り去った。

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プロフィール

ティーカ

Author:ティーカ
MC(マインドコントロール)全般や、超能力・奇術・魔法なんかの非現実的なシチュエーションが大好きです。

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