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催眠遊戯 中編

「と、とにかく……催眠術ごっこなんてくだらないことはもう終わりだからね!」
「ふふーん? 残念だけど和くんは私が許可しない限り、絶対帰れないよー」

反応したら、先輩の思う壺だ。僕は先輩の言葉を無視して歩き出すと、今度こそ教室の扉に手をかける。

「くすくす……疑うなら試してみる? 私としても、そっちの方が面白いし」
「っ……! さようなら!」

自分を奮い立たせるように別れの挨拶を口にし、手に軽く力を入れると扉はあっさりと開いた。
そして、数歩足を踏み出す。ひょっとしたら見えない壁にでも阻まれるんじゃないかと心配したが、何の問題もなく廊下に出られた。
やっぱり催眠なんて嘘だったんだ。僕はほっとして背後の扉を閉めると、玄関に向かっていった。特に先輩が追いかけてくる気配もない。
それにしても先輩、なんだか怖かったな……これからはちょっと気をつけないと。
玄関までたどり着くのはあっという間だった。僕は扉の前で手をかけた。ここを通れば外に出られる。
扉を開き、足を「中に踏み入れる」。

……え?
目の前に広がった光景に思考が停止する。
扉を開けた先の空間は学校の校庭じゃなかった。

……部活動を終えた女の子達が下着姿で着替えている、女子更衣室だった。

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ティーカ

Author:ティーカ
MC(マインドコントロール)全般や、超能力・奇術・魔法なんかの非現実的なシチュエーションが大好きです。

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